会社更生手続き中の日本航空が、人員削減や航空機材の更新をはじめとするリストラ関連費用として1兆円規模の損失を計上することが14日、分かった。同社を支援する企業再生支援機構とともに同日、リストラ関連費用を含む収支計画について日本政策投資銀行、みずほコーポレート銀行などの主力取引銀行に提示した。徹底的なリストラの実行によって早期の最終黒字化を目指し、主力銀行から融資再開などの協力を引き出したい考えだ。
日航はグループで約1万6千人の人員削減や燃費の悪い大型航空機の処分といったリストラを計画している。早期退職金の引当金や売却する航空機材の簿価と時価の差による売買損などで、合計のリストラ関連の損失が1兆円規模に達するという。
こうした巨額損失を平成22年3月期決算か23年3月期決算に計上するかはまだ流動的だが、22年3月期に損失を計上する場合、23年3月期の連結業績は数百億円規模の最終黒字となる見通しだ。日航としてはリストラに伴う損失を含めた収支計画を主力銀行に提示することで黒字化の道筋を明示し、債権放棄や融資の借り換えといった支援を求めることにしている。
更生計画案の策定に向けて、日航と支援機構は先週から主力銀行との交渉を本格化させており、これまでに、本業のもうけを示す営業損益に関しては23年3月期に250億円の黒字にするなどの収支計画を説明している。収支計画は8月末に裁判所に提出する更生計画案に盛り込まれる。
日航は今月中にも主力銀行との間で原案に関する合意を目指し、来月には非主力銀行とも合意したい考えだ。その上で、8月末までに詳細を詰め、裁判所に更生計画案を提出することにしている。
ただ、銀行側は日航の示した収支計画の実現性を慎重に見極め、今後の支援のあり方を検討する構えだ。収支計画の達成に向け、銀行側が追加的なリストラを日航に要求する可能性もあり、更生計画案の策定をめぐって、なお曲折も予想される。
(Yahoo!ニュースより引用)