鋼材の原料となる鉄鉱石価格を巡っては、国内鉄鋼大手が資源大手との間で4〜6月期の価格を1トン110〜120ドルとすることで合意。1年間価格が同じだった09年度の55ドルの約2倍に急騰。過去最高だった08年度の77ドルを上回った。7〜9月期の価格はさらに3〜4割上昇しそうで、鉄鋼各社はメーカーに価格転嫁する構えだ。
鋼材と鉄鉱石価格高騰の背景には、鉄鋼需要が旺盛な中国が近年、中国向け小口取引(スポット)相場で高価格で鉄鉱石を購入していることがある。ブラジルや豪州などの資源大手は強気の姿勢に転じ、今年度から、直近のスポット価格を反映させやすい四半期ごとの価格改定を要求。売り手(資源大手)側が強い立場となり、日本の鉄鋼大手は四半期ごとの価格改定や値上げの受け入れを迫られた。このため、鉄鋼大手は、鋼材価格でも四半期ごとを求めている。
ただ、中国の鉄鉱石のスポット価格は直近で、1トン当たり160ドル前後と、急騰が続く。業界内では、7〜9月期の鉄鉱石価格について「150ドル以上になる可能性もある」(鉄鋼大手幹部)と懸念する声が強まっている。
新日鉄の内田耕造副社長は31日、資源大手との価格交渉について「交渉しても(相手が)圧倒的に立場が強ければ、のまざるを得ない。交渉の余地があるかは、中国がどういう買い方をするか次第だ」と語った。【浜中慎哉】
(Yahoo!ニュースより引用)