プラスに転じるのは3年ぶり。同日の金融政策決定会合では、デフレ脱却に向け、民間金融機関による成長分野への資金供給を支援する新制度の導入も決めた。
展望リポートでは、実質国内総生産(GDP)成長率を10年度はプラス1・8%(中央値)とし、1月時点のプラス1・3%から上方修正した。11年度の成長率はプラス2・0%(中央値)に上向くと想定した。
新興国の経済成長が輸出主導の景気回復を後押しし、企業収益の増加と雇用・所得環境の改善につながると見込んでいる。需要が供給を約30兆円下回る需給ギャップが縮小するとして、「消費者物価指数の前年比は、11年度中にプラスの領域に入る」と明記した。
また、金融政策決定会合では、現状の金融政策を維持することを全員一致で決めた。
白川方明総裁は、デフレは「成長期待の停滞や少子高齢化、人口減などで(企業や家計が)設備投資や消費に慎重になっている」ことが背景にあると指摘した。このため、デフレ克服に向けて持続的な経済成長が必要との考えを強調した。
一方、新たな資金供給策については、「企業や金融機関の意見も踏まえて検討していく」と述べるにとどまり、具体策には言及しなかった。今後、政府の成長戦略に歩調を合わせるかたちで、金融政策を詰める見通しだ。
ただ、総務省が同日発表した09年度の全国消費者物価指数が前年度より1・6%下落し、下落幅は比較可能な1971年度以降で最大だった。日銀の予想通りにデフレ脱却が順調に進むかどうかは不透明な側面もある。
(Yahoo!ニュースより引用)